9月24日『日本トレイルランニング会議』が開催

日本トレイルランニング会議

9月24日(火)19時より岸記念体育館で開催された
『日本トレイルランニング会議』。約40名が出席した。

 

日本山岳協会を中心とした中央組織づくり

9月24日(水)、東京都渋谷区の岸記念体育会館において『日本トレイルランニング会議』が開催されました。
同会議は、公益社団法人 日本山岳協会競技部トレイルランニング小委員会が主体となり、トレイルランニングの中央組織の確立を目指して設立されたもの。

これより前、8月2日(日)にはプレ会議として『結成集会』が開催されており、今回は第二回目となります。第一回目では、『トレイルランナー.jp』やハセツネの公式サイトで一般参加者を募っていましたが(※1)、今回は第一回目の出席者を中心に募集が行われました。

出席者は、計40名ほど。内訳は、日本山岳協会とハセツネ関係の方々が約20名、大会主催者や現役選手の方々が約10名、メディア関係者が約10名。現役アスリートとしては、松本大さん(第一回目もご出席)や松永紘明さんなど、次世代の育成に積極的に取り組まれている方々が参加していました。

参加者には、会議の定款や理事について記載された資料が配付されました。

設立趣旨は、以下のとおりです。

【設立趣旨】
1)トレイルランニングに関する普及振興事業
2)トレイルランニングに関する講習会、研究会、講演会等の開催
3)トレイルランニングに関する協議会の開催及び運営
4)トレイルランニングに関する審判員及び指導者の養成に関する資格認定カリキュラムの研究
5)トレイルランニングに関する関係団体との連絡調整事業
6)トレイルランニングに関する機関紙及び刊行物の発行
7)トレイルランニングに係わる自然保護活動
8)その他大会の目的を達成するための必要な事業

本会議は、かつて国体種目であった山岳競技を起点とし、競技としてのトレイルランニングの方向性を定めることに主軸を置いています。
今年の4月28日(月)、鏑木毅さんの呼びかけにより、河口湖にて開催された『トレイルランニングの未来を考える全国会議』のプレゼンテーションにおいても、宮地由文さんが言及されていますので、詳しくはこちらをご覧ください。

本会議の理事は、以下の方々です。(配布資料より。敬称略)

【日本トレイルランニング会議設立案】
会長  杉本 憲昭(NPO法人北丹沢山岳センター 理事長)代理理事
理事長 宮地 由文(一般財団法人 日本山岳スポーツ協会 理事長)
理事  山田 雅昭(広島県山岳連盟 理事長)
理事  大曽根 弘(神奈川県山岳連盟 元会長)
理事  西原 斗司男(公社 日本山岳協会競技委員長)
理事  撫養 千明(公社 日本山岳協会競技委員長トレラン小委員会)
理事  平林 高志(公社 日本山岳協会競技委員長トレラン小委員会)
理事  長島 徹治(公社 日本山岳協会競技委員長トレラン小委員会)
理事  八木原 圀明(公社 日本山岳協会副会長)
理事  杉本 岳人(NPO法人北丹沢山岳センター 事務局長)
監事  岡本 安夫(神奈川県山岳連盟 会長)

 

方向性の確定が、これからの課題

この日は、5つの議題について意見交換が成されました。

1) 『トレランJPAN』(※2)の今後の活動経過方針
2)  役員人事の調整、変更について
3)一般財団法人申請に伴う事案について(出資金)
4)当面の事務局代行と場所
5)その他

前回のプレ会議、ならびに今回の主な発言をまとめてみます。

【 会議代表者の主な発言 】

・トレイルランニングをとりまく現状を踏まえて、早急な中央組織の設立が求められる。
・最大の目的は、トレイルランニングの市民権を獲得すること。
・日本山岳協会の中でもトレイルランニングに対する見解は分かれており、一枚岩ではない。本会議を設立するまで6年の歳月を費やした。
・全国の山岳連盟に声がけし、11団体が参加している。
・今後、一般社団法人としてどう組織化していくか、出資金についても検討する必要がある。
・現状では大会の質に幅があり過ぎる。自治体に許可をとっていない団体もあり、非常に危惧される。
・講習会の指導員や大会のスタッフなど、緊急時に対応できるスキルが必要。指導員制度の確立が急務。
・いろいろな問題もあるが、まずは「この指止まれ」で集まったメンバーで組織化していく。ずっとこのメンバーで固定するわけではない。

【 参加者の主な発言 】

・組織化について、日本体育協会などから要請があったのか。
(A:日本体育協会からはないが、さまざまなところから要請があった。日本体育協会とは今後、協力していく。)
・資料にはすでに理事が明記されているが、現役選手が含まれていないことに違和感を感じる。
・同会議はフランスを中心とする国際トレイルランニング協会の傘下に入る。一方で、すでに設立されているISA(JAPAN SKYRUNNING ASSOCIATION)は、参加国が同協会よりも3倍多いISF(国際スカイランニング連盟)の傘下にある。今後どのように連携していくのか。
・組織化は必要であるが、トレイルランニング界の中での分裂は避けたい。オールジャパンで協力体制を築くことが望ましい。
・トレイルランニングの中央組織として、メディア対応など広報的な役割も担って欲しい。
・組織図のたたき台を作成して欲しい。

理事の選出に関して、日本山岳協会副会長の佐藤旺さんから「我こそはと思う方は、ぜひこの席で理事に名乗り出て欲しい」といった発言がありました。しかし、同会議の方向性が現状では明確になっていないことから、この日、新たな理事の加入はありませんでした。

次回はレセプションが開催される予定です。今後の動向が注目されます。

 

注釈
1)8月2日、岸記念体育会館において『日本トレイルランニング会議』結成集会を開催。事前に『トレイルランナー.jp』、ならびに日本山岳耐久レースオフィシャルサイトにて告知され、参加者を募った。
2)『トレランJAPAN』は、一般財団法人トレイルランニング会議の英文名『Japan Trailrunning Party』の略称。