4/27『日本トレイルランナーズ協会』が設立

kaburakisan

 

トレイルランナー有志による全国的な組織づくり

4月27日(月)『日本トレイルランナーズ協会』が設立されました。

近年、トレイルランニングの愛好者が急速に増え、大会が増加するなか、自然環境への影響やハイカー、登山者とのトラブルなどが問題視されています。環境省や東京都などの行政でも、大会運営などのガイドラインを示す動きが出ています。また新聞などのメディアからも、トレイルランニングに対する不安の声があがっています。

本協会は、こうしたさまざまな課題を解決するために発足。設立発表会には全国各地でトレイルランイングの大会やイベントを主催する団体やアスリート、トレイルランニングに関係するメディアやメーカーなど58名が集いました。

代表発起人である山西哲郎氏、鏑木毅氏、石川弘樹氏、村越真氏、三浦務氏より、協会の概要が紹介されました。

 

■ 名称〜『日本トレイルランナーズ協会(Japan Trail Runners Association)』
■ 主な活動
・全国各地のトレイルランナーやクラブの連携によって、トレイルランニングの現状を把握し、さまざまな課題の解決を図る。
・トレイルランナーの統括の組織を生かしトレイルランニングのあり方を行政など社会に対して提
言を行う。
・トレイルランナーのマナーコードを作成し普及啓発していく。
・トレイルランニング大会のガイドラインを作成し啓蒙していく。
・トレイルランニング普及のための学習機会をつくる。……等
■ 当初の発起人(大会主催者、アスリートなど19名)を中心に「理事」を選出し、審議と事業運営
の主体となる「理事会」を設ける。
■ 実質的な活動グループとして複数の「委員会」を設け、理事が各委員長となって活動を進める。
■「正会員」「賛助会員」を募集し、会費を集めて活動資金とする。
■ 当初は任意団体としてスタートするが、体制が整い次第、法人化していく。
■ 当会は、日本山岳協会により設立された『日本トレイルランニング会議』と対立団体ではない。志
すものが当会は「市民スポーツ」としてのトレイルランイング、『日本トレイルランニング会議』
は「競技スポーツ」としてのトレイルランニングなので、現段階での活動には違いがあるが、すで
に対話を開始して情報を共有し、将来的には協働を目指すことで合意している。

 

これらの提案に対して、出席者からは以下のような意見が出ました。

・『日本トレイルランニング会議』と合同で話し合う場を開いてほしい。
・指導や講習をするプロとしての資格づくりにも努めてほしい。
・東京だけでなく全国各地でも会議を開いてほしい。
・既存の大会を守るための組織にはしないでほしい。……等

2845

 

いま、トレイルランナー自らが意識を新たにするとき

今後、開かれる理事会、総会では、これらの要望も含め、全国のトレイルランナーの現状を把握して、トップダウンではなく民主的に議論を進めていくといいます。

■ 今後のスケジュール(予定)
・5月中〜第1回理事会開催(以後、毎月1回を原則として理事会を開く)
・6月以降〜各委員会の発足、活動開始
行政等に対しての提言を作成、提出
全国に向けて会員募集
・10月頃〜第1回総会開催

昨年4月に鏑木氏の呼びかけによって河口湖で開催された『トレイルランニングの未来を考える全国会議』と、山西氏によって立正大学で年1回開催されてきたシンポジウム『森を走ろう』(計4回)の活動を引き継ぐかたちで誕生した本協会。

行政により大会開催や山の利用のガイドラインが示され始めたいま、トレイルランニグを取り巻くさまざまな問題を解決していくためには、山を走る楽しさや自然に親しむ喜びを享受するトレイルランナー自身が意識を新たに、これらの課題を「自分ごと」として受け止める必要があります。幅広く知恵を集めて、未来に向けた取り組みを考えなければならない時期といえるのではないでしょうか。